4 色の性格「黒」

 

「黒」 すべての光を吸収する欲張りな色。みんな自分のものにしてしまい、光を外に返すことがない。「黒」は光とすべての色相の波を吸収して、反射光を反さない色です。目に視神経を刺激する光の波が入ってこないので、視神経が何の反応も示さず、無彩色、つまり「黒」に見えます。「色」は個別の波長の「光」を、それぞれの色としてとらえているのですが、黒には「光」がありません。光が欠乏している状態で、「色」の中では異端な色です。「光の欠乏」光が欠乏すると、まず不安な気持ちになり、精神状態が悪くなりますが、身体面にもひどい悪影響がでます。光がまったく入らないと、萎黄病という病気になるようです。この病気の症状は、顔が青白くなり、皮膚が縮む。食欲がなくなり、早老し、全身の働きが崩れてくる、というものです。なんだか、日陰に置かれた植物によく似ています。ハーバート大学では、ウサギを光の射さない場所に隔離しておくという実験が行われました。このウサギは2週間で結核にかかり、死んでしまったそうです。このような病気の治療法は、やはり日光によくあたらせることで、体の機能は徐々に回復していくようです。「黒の癒し」黒は否定的な要素の多い色ですが、黒には独特の癒しの効果があります。黒は、疲れた人には休息の色になります。眩しい光、または白を見ると、刺激が強く、体は緊張してしまいますが黒や闇には刺激がありませんので、緊張がほぐれ心身ともにリラックスする事ができます。白は光を反射する色なので、こちらに迫ってくるように感じ、それに対し黒は光を吸収する色で、引き込まれていくように感じます。疲れている人には、白は一方的に圧迫してくる力に感じられ、黒は心を解放してくれる働きを持つのです。 また、黒は感性を高める色でもあります。暗い場所にいると、外からの刺激は少なく、僅かな刺激でも捉えようとして感覚が敏感になります。アーティストには黒を好むひとが多くいます。彼らは創作の時、外界からの刺激を断ち切って自分だけの世界を創っているのかもしれません。また、僧侶や牧師、シスターなど、出家している人の日常着は殆どが黒です。俗世間・外界からの刺激を断ち、身を慎むための色なのだそうです。黒を好んで着る人は外界との接触を断とうとしている場合が多く、 周りの人はやはり、近寄り難い印象を受けます。黒は癒し・休息にもなりますが、多用すると(長い間暗闇に閉じこもったり、いつも黒い服ばかり着る、など)心にも体にも悪影響が出てきます。色の中でも特に、黒とは上手な付き合い方をしていきたいものです。「黒」の良いイメージ・悪いイメージ≡良いイメージ 「力」「自信」「深さ」「極限」「絶対的」「厳粛」「男性的」「豪華さ」悪いイメージ 「死」「不安」「陰気」「悪」「孤独」「沈黙」「重々しさ」「拒絶」「絶望」1980年に日本とアメリカの学生を対象に、行われた色から連想される もののアンケートです。日本 1位 「死」 2位 「夜」 3位 「殺人」アメリカ  1位 「死」 2位 「夜」 3位 「殺人」日米の色の印象が1位から3位まですべて一致する色は黒だけでした。洋の東西を問わず、黒には強い否定的なイメージがあるようです。