「赤」 赤い色は太陽が燃え、それによって宇宙が生々発展する色。
体内にたぎる血の色、祝いや喜びの色、人の注意を引きつける色。
赤は積極的で動きのある、強い力を持った色。
「赤」は良くも悪くも人に与える影響が大きく、強い力を持った色です。
うまく使えば行動力の源となりますが、いきすぎるとひどく有害な色です。
その「赤」の効能と害についてみていこうと思います。
「熱のある色」
赤は暖かい色です。
熱のあるものは赤くなり、人間も体温が上がれば皮膚が赤くなります。
それに対し、青は冷たい色で、体温が低くなっている人、体力を失っている人は青白い顔をしています。
赤の効能は主に冷たくなったものを温め、中和する働きにあります。
また、赤によってエネルギーを補うこともできます。
「赤い薬」
赤の波長をもつ薬(赤い色の薬)は赤い光と同じ効果があります。
それらは体を温めたり、刺激するのに使われています。
服用した時にノドがヒリヒリするような薬はどれも赤い原理をもっています。
真っ赤な色のトウガラシは強力な興奮剤で、胃に熱を生み、全身を熱くします。
臭素は赤い液体で、刺激薬、腐食薬です。
“じゃこう”も興奮剤で血行を盛んにします。
その他、赤い薬は多々ありますが、どれも興奮作用があります。
「赤杉」興奮剤・利尿作用 「鉄」脈拍を上げる強壮剤 「炭酸アンモニウム」 動脈の興奮剤 等々
「赤い光の効果」
赤い薬と赤い光は基本的に同じ働きをします。
色のついた光線で病気治療をする「有色光線療法」という治療法があります。
赤い光で改善できる症状は、麻痺、消耗症、慢性疲労などです。
麻痺や体の機能が休止している時には動きをあたえ、消耗症、慢性疲労等ではエネルギーを回復させます。
冷たくなった部分は、血行を良くして温めます。
「赤の害」
赤はエネルギーの補充に使えますが、エネルギーの足りている人には害になります。
赤ら顔の人、熱っぽい人はあまり赤は使わない方がよいでしょう。
特に炎症などは症状が悪化します。
19世紀、西洋では食堂の壁を赤く、天井をピンク色に配色する流行がありましたが、すぐにすたれてしまったようです。
ドイツで行われた実験ですが、食事時に赤い光の波長をあたえたら、まず胃のあたりに痛みが出ました。
赤は醗酵にいちばん望ましい波長の光で、消化器官が消化(醗酵)物質を出しすぎて炎症をおこします。
原因(赤い光の照射・食堂の赤い壁)を絶つまでどんな治療法も役に立たなかったようです。
食堂の壁を赤くする流行がすたれたのも当然といえます。
カナダの医師会には赤い光の作用が天然痘の予防に役立ったという報告があります。
その実験をした医師は壁も天井も窓も赤くした部屋に患者を入れるということもしました。
患者は喧嘩をはじめ、看護婦にも暴力をふるうようになったそうです。
過剰な赤い光は精神的には苛立ちや不快感を感じさせます。
その他、赤い光による害は、
「赤い光の下で飼育されたモルモットは喉に腫瘍をつくりやすくなった」
「西洋で赤い下着をつける習慣があった頃は腎臓病をわずらう人がとても多かったこと」等があります。
赤は非常に強い力をもった色です。
体が冷える時、エネルギー不足の時にはよいですが、それでも過度に使い過ぎないよう気をつけてください。
赤の良い効果を取り入れたいときは、壁、床、インテリア等ではなく、面積の小さい小物などに使うとよいです。
また、赤いガラスの波長は意気消沈した人には大変な元気をあたえるようです。
強いエネルギーのある赤ですから、小さい物でもきっと大きな効果が得られるでしょう。
「赤」の良いイメージ・悪いイメージ
良いイメージ 「情熱」「生命」「愛情」「勇気」「積極」「恋」「喜び」「派手」
悪いイメージ「危険」「残酷」「争い」「怒り」「爆発」「圧力」「強烈」「熱い」「興奮」
1980年に日本とアメリカの学生を対象に、行われた色から連想されるもののアンケートです。
日本 1位 「熱情」2位 「勝利」3位 「野望」
アメリカ 1位 「熱情」2位 「情緒」3位 「気質」
日本でもアメリカでも、赤に対するイメージは悪いものより良いものの方が多く見られました。
悪いイメージでも「反抗」「嫉妬」などで、全体的に赤は好まれ、良いイメージで受け取られているようです。